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Mar,22
- 月曜日。帰り道の高田馬場のホームで、赤いばらの花びらがたくさん落ちているのを見た。そのそばには人が座っていた。あの花びらはどこから来て、どこへ行くんだろう。
- 火曜日。先輩に、ヤマシタトモコ『ひばりの朝』、ほしよりこ『逢沢りく』を貸した。たまたま職場で市川春子さんの話になり、そういえば『宝石の国』読みたかったのに忘れてたなあと思って、すぐにほぼ全巻を買ってしまった。ついでにと高山なおみさんの『日々ごはん』を物色していたら、なんと数時間前に探していた巻の出品が。やっぱり必要な時に出会うようにできているなあと、すこし誇らしげに思う。仕事では12階から交差する山手線を10本見送りながらコピー機の前に突っ立っていた。最近みんな、どうしてるだろうか。職場の先輩は試作段階の絵本のぬいぐるみを持ち、社内を徘徊していた。夜は東小金井。春らしいごはん(ホタルイカと菜の花)、最後の冬のかけこみのようなごはん(生牡蠣)を食べた。サマーウォーズを気まぐれに少し見た。あんな家に住めたらもうやりたいことなんて無くなる気がする。
- 水曜日。日本酒の甘ったるい感じが体から離れない。ふつうに寝たはずだけど、ずっと体中がとろとろしている。職場で朝から夕まで居眠りをくり返してしまった。家に帰ってすぐにシャワーを浴び、久しぶりに豆鍋を食べる。だいたい、体が清潔で、ごはんを食べれば、人間のスタートラインに自然と舞い戻ることができると思う。youtubeもPinterestも何もかも、すべて途中で飽きてやめてしまう。今年はあまり調子が良くない気がする。ずっとふんわり、してしまっていて、たまに自分はもう、過去には確かにあったように感じる、(良くも悪くも)何かに猪突猛進である感じ、ひりひりとしながらも何だかんだでいきいきとしている、あの体感を取り戻すことはできないのではないかという気がしてくる。最近は穏やかではあるのだが、それはなんだか穏やかというよりは、心が風船みたいに軽くて頼りない感じに近い気がする。矛盾だらけの自分に、考えることをやめてしまった。だからといって開き直れているわけでもないので面倒だ。色々なチューニングがどれにもうまくはまらない。また動画を撮りたいなあと、やっぱり少し思った。
- 木曜日。昨夜本を読みながら自然と早めに眠ってしまったので、一度6時ごろに起きた。そこからまた少し眠ってしまい、だけどいつもより一時間近く早く起きた。最も気持ちが良いことは、一人の早起きかもしれない。お弁当を詰め、昨日職場で買ったチーズのマフィンを食べた。大体9時ごろに聞こえてくる、上の階に住んでいる子どもと親の朝の攻防。今日の子どもは機嫌が悪いようだった。髪が結べるようになってきたので、髪を結んで仕事に行く。原稿に狂ったようにルビを振り続ける作業が楽しかった。夕方。コピー機のところから見た空が変な色をしていた。雲が低くて、その間から少しの光が見えている。思わず隣にいた上司に話しかける。「雨が降るのかなあ」と気の抜けた返事をしてくれた。五反田から新橋に向かう。山手線って、五反田あたりからほんもののオフィス街という感じがしてくる。電車に乗り込んでくる人たちの様相とか、駅を降りた時に肌で感じる雰囲気とか。相容れなすぎるものを見つめる時、頭がぼんやりとする。りんちゃんと会った。なんとさっき愛媛から帰ってきて、空港からそのまま来てくれたそう(午前中は山で苗木の剪定をしてたのに、不思議ですねー、とあっけらかんとしていた)。予想だにしないことばかりを連れてきてくれる。新橋のサラリーマンがたむろしているような居酒屋でお酒を飲んだ。久しぶりに頭がクリアになっていくような感覚だった(実際、最近頭をぼんやり侵食していたものにどんどん名前がついていった)。ああわたしの今の状態は全部に「白けてる」って感じだし、あの時あの人にはほんとうに「呆れられて」しまったんだって感じだった。それに最近文章を書くことが前よりも楽しくないの、自分の文章を読んでても楽しくなさそうだし、生き生きしてないの、と話した。たまたまりんちゃんもそんな感じだったらしい。だけどわたしたちは新しい場所をこれからも見つけて、そこでどんどん大きくなったりのびのびしたり、したい。いつだってりんちゃんと話していると、それができるような気がしてくる。不思議だ、ありがとう。すごくいい気分で帰った。日付を回る少し前の高田馬場のホームには人が溢れていて、わたしはそれに笑えてくるくらい気分が良かった。こんな光景は変だし不自然だなってすごく思った。みんな帰るべき場所があって、そこに帰りたいだけなのだ。家に帰ると、最近買った色々な本たちに混じって、母から手作りのブックカバーと巾着が届いていた。何の予告もなく、何の手紙も入っていなかった。銀行の水色の封筒をむりやり改造した、いびつな封筒に切手が貼ってあって。声を出して喜んだ。鼻をつけたら、少しだけ、清潔すぎる実家のにおいがした気がした。疲れて、寝てしまった。かなり良い日だった。
- 金曜日。昼に起きる。なんだか寒いなあと思っていたら、ほんとうに寒かった。良い気分で寝て起きたら世界がまた姿を変えていたって、どこまでが夢だったのか分からなくなるから、あんまりやめてほしい。そわそわしたけど一旦たばこを吸った。甘いものがほしいのに家にない。シュークリームを買いに外に出る。三連休のはじまりなのに、近所はがらんどうだった。気持ちを整えてから母に電話をする。最近はじめてくらいに、親に対してありがとうって言えるようになってきた。まあでも、昨夜のプレゼントはうれしかったから言えるか、みんな友だちだと思えばわたしって素直にすんなりいけるな。自分で気まぐれに誘ったにもかかわらず、ぎりぎりで新宿に向かう。凜ちゃんに会った。アイスココアを飲みながら、ただのおしゃべり、をした。最近みんな、少しずつ環境がまた変わっていっている。友だちが楽しそうな方向にいくのって手放しに最高って思えるなあ。凜ちゃんの背後にはずっと、ぬるい地獄みたいな歌舞伎町の大通りが見えた。凜ちゃんと別れて西口の地下広場に行く。投げ売りされている本にほしいものはなかった。最近自分の心に敏感であろうと無意識に努めているのだろうか、新宿の地下通路を平気な顔して闊歩するだけで少し動悸の気配がする。互いに三月生まれであるりか子さんへの誕生日プレゼントを物色、何もない。代わりに欲望と衝動だけの買い物をした。何も感じないのでこの際と思い、めがねを調整しに京王百貨店へ。めがねのネジが少し締まるだけで、自分がさっきよりも少し良いものに思える。原宿へ。時間を持て余し、最近見つけた少し居心地の良い場所で時間をつぶす。イヤホンをつけて日記を書き始めたらいつの間にか時間が経っていた。まだわたしは夢中になれる。喫茶店で凜ちゃんに少し漠然とした悩みを話し、「だけどこのタイミングで自分の閉じられたスペース(この日記サイト)を作ったのは良かったんじゃない」と言われて、たしかにそうかも・自分は自分への、知ってか知らずかの危機回避がたまにうまいなあと思う。ネイルへ。一ヶ月ぶりに会うりか子さん、以前からうすうす聞いていたことではあるが、やはり夏から環境が変わってしまうようだ。わたしはすごく、甘えすぎていたなあと思った。ずっとちょっとずつ思っていたけど、それがほんとうにそうだった。りか子さんと一緒に原宿の大通りを歩いている時、少しだけそれを言ったけど、なんだか自分の声や言葉は、嘘っぽく聞こえた。全部はずかしくて情けなかった。山手線で別れ、帰宅。皿を洗えていない。だけど何もする気分ではない。さばの押し寿司とビール、杉咲花さんドラマを見て、少し嫌な気持ちになって、寝た。相手がいる状態の人と順序を踏まずに始まると、やはり人はマイナスの幼稚さではぐらかすことしか逃げ道がなくなるのだろうか。空回りしているし、スベっている。きっと当人たちもそのことを、きちんと分かっている。
- 土曜日。悪夢を見て飛び起き、また眠る。あまりきちんと眠れなかったけど、朝からそれいゆなので起きた。朝方の部屋でしか光らないサンキャッチャーが綺麗。化粧もして朝ご飯も食べて、から元気に気分が良い。早足で中野まで歩いた。バイト。忙しかったが、最近一緒に入り始めたホールのお姉さんとの息もだんだん合ってきたように思う。「智春ちゃん」とふつうに呼ばれていて、少しどぎまぎした。お店にははじめて恋人も遊びに来てくれた。そういう場所が苦手な彼なので、カウンターのはじの席で、少し居心地悪そうに体を折りたたんでいた。少しはわたしのしっかりしたところ、見せられただろうか。お店の席でどんぶりに盛られたカレーをすごい速さで食べ、退勤。中華21で相撲を見たり欧張さんと話したりしていたら、恋人の友人であるキマノーさんもやって来た。初対面だったが、これまで色々を通過してきたであろう人特有の話しやすさであっという間の時間だった。ほんとうに疲れていたが、意識もなく電車を乗り継ぎ桜台へ。から元気の上にお酒を飲んで地下鉄に乗ったりしたからか、動悸の予感がする。だけど歩みを止めたらもう動けなくなる。ユリシーズぶりの桜台poolへ。内装が色々変わっていた。受付の人がぼんやりしすぎていて、正直瞬間的にだいぶイラついた。そしてそれがもちろん顔にも態度にも出る。ジョンのサンの演奏が始まっている扉を開けると中はすし詰め状態。なんか色々イラついてだめだった。去年の明けごろに昼の狭山湖を一人でさまよい、明るくて悲しい光の中で聴いたあの音楽をここでは超えられない。わたしはだめだ、分かっていたはずだけど、やっぱり今は小さく存在していたい。そのあとのTarah Kikuchiは良かった。久しぶりにライブにも行ったし、バンドサウンドを生で聴いた。良いなあ。最後のmomdadmefriendsは、喫煙所でデカいおにぎりを食べながら「自分、おにぎり大好きっス!」と話してくれたボーカルの子のバンドであるにも関わらず、さまざまな勘ぐりが始まってしまい、倒れる前に一人で外に出た。スタンディングのせまいライブハウスに最後までいられたのはいつまでだろう。この後味の悪さと自分への失笑みたいな気持ちを知りすぎている。思ったよりも外が寒い。ライブが終わって地上に出てきた藤田くんと合流する。お酒を買って練馬まで歩いた。ずっと前から言わなきゃと思っていたことを話した。言うだけ言って逃げ帰ってやろうかと思っていたが、自然と話す流れになり、公園でしばらく凍えながら話した。藤田くんは色々話してくれたし、聞いてくれた。わたしは正直なことしか言わなくて、それは結果的に良かったと思う。わたしはわたしでしかないから、わたしにはわたしの自然なやり方があって、もちろんそれは暴力的であったり、人から見たら支離滅裂であったりする。だけどそれでどうなったって、言ってしまえば、それはわたしが引き起こしたわたしだけの結果なのである。だれのまねをしたって意味がない、それはわたしのものだと思えないだろう。時には今日みたいに、すごく好転することだってある。わたしは自分のやり方が、あんまり嫌いじゃない。たまにすごく好きだ。大江戸線の中で別れ、数分後にせまる乗り継ぎのために中井駅を爆走する。もう十分すぎるくらい疲れていたけど、もうどうなっても良かった。ひたすら気持ちが良かった。地下を出て、走っていると、右手に信じられないくらい明るい色を感じた。桜だった。それはあまりにも夢みたいな光景で、そしてそれは絶対に今日の今でないといけないものだった。そこからはあまり覚えていない。無意識で家に帰って湯船に浸かり、ヘロヘロの恋人が家にやって来て、糸が切れたみたいに眠っていくさまを見ながらあたたかいそうめんを食べた。寝た。
- 日曜日。うまく眠ることができなくて、仕事の日と同じくらいに起きてしまった。久しぶりに自分の部屋の冷蔵庫の中身をよく把握する。コーヒーを飲んで朝ごはんを作る。洗濯機を回す。昼から、やっと起きてきた恋人と大陸に行く。ラーメンと半チャーハンを食べた。歩いて中野、高円寺に行く。木曜日ぶりにりんちゃんと会った。わたしはなんだか今さら眠くて、ぼんやりしていた。夕方からカラオケに行き、たぶん5時間くらいいただろうか。かなり酔った。「週末はソウルバンド」を歌ったことを覚えている。色んな人の顔が浮かんできた(続けてもいいから嘘は歌わないで、という歌詞はほんとうにすごく、色褪せない)。足だけが動いている状態で帰った。りんちゃんと電車の中で話す、わたしはやっぱり人に甘えすぎているな。次また会う時にはもう少し、ちゃんとしたところを見せたい。覚えてないけど中野から歩いて帰った。泥のように寝た。怒涛のほとんど四連休、がやっと終わった。色々すぎるくらいに色々なことが、あった。