Oct Letter✉︎vol.1

しばらくぶりに日記を再開しようと思う。文章を書いていない間、私はとても大きい出来事の中にいた。初めてのことばかりで、分からないのに時間は限られていて、色々なことを次から次に選択せねばならなくて いびつだったが、とても真剣な期間だった。自分の持ちうる力、体も心も総動員し、対峙していたことに、後悔はない。とてもよく頑張ったのだ。それが終わった。

私はしばらくの間、自分のために生きていくことに決めた。自分は一人の人間で、誰にも踏みにじられてはならない、一人分の気持ちや力、権利があり、大事にしたい信条や人や場所があること(そして他の皆も等しくそうであること)に、自覚的になったからである。自分の中の、小さな納得の上に成り立つ毎日を地道に積み重ね、しっかりと・楽しく・前向きに生きていきたい。日記はそういう日々の手助けをしてくれると信じている。

その期間に読んでいた一節を引用しておく。

手綱をぎゅと握りすぎず、そして緩めすぎず。不意のことがあっても対応できるようになるべく整えて、道なき道を自分の体という馬に乗って歩いていくのだ。

突っ走らせたら馬はへたるし、ぽくぽくのんびり歩きすぎても鈍ってしまう。(中略)

毎日ブラシをかけて、話しかけて、いっしょに眠って、大切に。

―吉本ばなな『イヤシノウタ』内「死」より